2010年5月31日月曜日

てんぷら ぴりぴり

考えるともなくときどき頭に浮かぶ詩。
ほらおかあさんがことしもまた
てんぷらぴりぴりあげだした
みんながまってたシソの実の
てんぷらぴりぴりあげだした
まどみちおさんの「てんぷら ぴりぴり」、冒頭の一節。
「ぴりぴり」とは、擬音語のつもりで書かれたのではないのでしょうね。
てんぷらを揚げる音は「ぴりぴり」とは聞こえない。
だけど音だけじゃなく、てんぷらが油の中で泳ぎ、衣が次第に色づき質感を変えていくさま…視覚的な要素込みならば。
「ぴりぴり」って、すごくしっくりくる言葉だと思う。
そのしっくり感にしびれます。
そういえば前にまんだらけで。
『いか天えび天愛して〜ん』という少女漫画をタイトル買いしました。
てんぷら屋の娘が病に倒れた父に変わって厨房に立ち、連日てんぷら特訓しながら恋に落ちたりする愉快な話でした。
KOZUE

2010年5月30日日曜日

人間の描く宇宙

人間は小さい粒、でもそんなこといつもは忘れています。
宇宙からばかり僕らを見つめるなんて出来るわけありません。
僕らの中にも、どんな小さな構造体の中にも宇宙が存在して、なんてよく言われます。
いいえ、僕らの中に宇宙は存在しません。
それは、理解できないほど複雑であることの修辞に過ぎない。

理解を超えるものは、いつも傍にいて、僕は僕を理解しきれていない。

けれども、何を為すべきかは誰も教えてくれないし、それだけは自分で決めて守れるようにしなくちゃいけない。

不可知を決め込んでいても、理解できなくて都合が悪いことはとても多い。

ちっぽけな人間、ちっぽけな悩み、世界は広くて、目の当たりにすればなんだかちっぽけな自分が可笑しくってどうでもよくなってしまう。
いいえ、どうでもよくなんかありません。
僕がちっぽけで世界が広くても、僕は世界ではない。

視点を切り替えるのは有効、けどかわしてしまえばいいとは思わない。

みんなの望むものはなんだかはよく分からないけれど、僕の望むものは切り出すこと。

知っているものに名前と形を与え、固定すること。

欲しいものはたくさんたくさんあります。

思考が止まるほど、気が触れるほど、立っていられないほど、

壊して下さい。一言で。今すぐ僕を。あなたの宇宙で。



2010年5月28日金曜日

ひそかにむらおこし

朴智星。字面が良いという話になる。
朴…木っぽい。茶色、か焦げ茶色。木目。素朴な感じ。渋い。
智…人智。キラリと賢そう。清潔感。清涼感。清涼飲料水。
星…キラキラ、流れ星。スター。爽やか。清涼飲料水。
朴…それでいて、やはり出過ぎず、木っぽい。木目調。ロココ調。
来月、韓国の、朴智星の活躍を目の当たりにした時、きっと思い出す。木っぽいな と。

今日も決まった光が一日分の開きを終える。日付変わって2010年5月28日。とにかく一度、夢に持ち帰ろう。
おやすみなさい。


カワセ

2010年5月25日火曜日

幽霊船は実在するのか



もしも心を見ることが出来たなら、多分それは生まれたての銀河のような、混沌とした渦巻きに違いない。


ぐるぐる回る海の潮に、ときどき跳ねる滴が、気持ちなんだと思う。すぐ渇いて忘れてしまう。


ところで君は幽霊船をみたことがあるか。


ぼくはある。小学生3年だったか、4年だったか、アイルランドの西端の島に行ったときのことだ。


それは正に世界の果てといった姿で、いつも曇っていて、海は灰色だった。ときどき嵐が来て、立っているものを何でもなぎ倒して行った。半時間もあれば一周できてしまう陸地には、素朴に積み上げられただけの石塀と、あばらの見える二、三頭の山羊しかいなかった。


丘と言うことすら躊躇する、遠慮がちな地面の膨らみを越えると、なんと巨大な竜の骨があった。真っ白な肋骨が、地面からにゅっとそびえたっているのだ。


ぼくは唖然として、声もあげられなかったが、震えるように指先で触れると、やがてそれは打ち上げられた巨大な帆船の、風化して骨格だけが遺った姿だとわかった。それにしても金属のほとんど使わない、樽木船の木材が、自然の力で漂白され、これほど真っ白になるまでいったいどれだけの時間がかかるのだろう。


ぴたぴたと掌でたたいていると、突然後ろから怒鳴り声が聞こえた。


首をすくめてふりむくと、風船のように腹の出たおやじが、朝からあおっているに違いないギネスに赤らんだ顔をなおさら赤くして、何か叫んでいる。


ぼくははじめ怒られているのかと思ったのだけれど、身振りから見るにどうもそうではないらしい。ついて来い、と言っているように見える。背を向けて歩き出すのに、だまってひょこひょことついて行く。


海風がここちよい。Tシャツが、塩でべとべとになった。


5分も歩くと、奇妙な光景が広がっていた。浜に、巨大な帆船が座礁している。帆はぼろぼろになり、木が腐ってところどころ穴があいていたけれど、ほとんどはそのまま完璧に残っていた。その様子から察するに、きっと中には、何十もの白骨となったイギリス人が、ごろごろ転がっていることだろう。


打ち付ける波が、ぱしゃん、ぱしゃんと、サンダルを叩いた。突然灰色の雲が割れた。一筋の光が差した。それが、幽霊船の甲板を、スポットで照らすのである。ぼくは天使が降りてくるに違いないと思ったのだ…




と、いう記憶がある。あんまり強烈な記憶だから、どうせ夢か何かに違いないと思っていたのだが、最近親に確認したら、本当だったようである。あの幽霊船は17世紀にクロムウェルがアイルランドに攻め入ったときのもので、難破していい気味だからということで、400年もの間、放置状態にされているものだそうである。




それにしても最近、夢に違いないと思っていたものが、現実に経験したものだったとわかるケースが頻発している。事実は小説よりも奇妙なのだ…。






何はともあれ、今日はmyspaceへの音源アップ日である。


『水面』は美しく奇妙な、歌ものの曲だ。存分に楽しんでほしい。



http://www.myspace.com/hemay








水面 作詞:山田龍郎 作曲:林恒平






女になりたい
女に生まれたかった
昼のうちに掃除を済ませ
皿を洗い夕餉を買い


洗濯物を取り込んで
あの人の帰りを待つ
ベッドではたくさん
愛してあげるの
綺麗な身体で
疲れた一日を


私が慰めてあげるの
誰かの愛人になりたい
売春婦もいい


真っ赤なドレスを着て
シャネルの香水を付ける
私はいるだけで
私を必要とする


身体があるだけで
絶望的なほど
人の目が欲しい






燃え上がるビロードのよう
火がつくように欲望して
あなたのお好きなままに
泡の溢れたバスタブで
震える指先で月を蹴る
好きなだけ楽しんだら
捨てるように帰って


私は思った
私は何も欲しくない


愛なんていらない
あなたのこと知らない
私しかいらない
私しか




蝶のように
化粧していたい
蟻のように
働くくらいなら


私なんて
千の蟻にたかられて
もがれ焼かれて
いなくなってしまえば


いいのに












Gandi

2010年5月24日月曜日

明日のためにその一

玄関に立ったまま、買ったばかりの「眠眠打破」を飲もうとかばんを探ったが、なかった。
タクシーの中に落としてきたらしい。
あれ315円もするのになー!
まあ、ハードワークなタクシーの運転手さんにプレゼントしたと思うことにしよう。

しかし、今夜の私を何が助けてくれるのか?

ああ、いよいよあれを使うときが来たってことか。
冷蔵庫の中には「強眠打破」がある。

「眠眠打破」より84円ほどお高いやつだ。

すなわち84円分は効き目が強いはずなのだ。
そう信じて「奥の手」として(なかばお守り的に)キープしてあるのだが…。

それとも「眠眠打破」をなくしたのは
「今日は安らかに寝てしまいなさい」ってお告げなのかも?

なんて一瞬日和ってみたが。
いやいや。
強眠打破、いかせていただきます。

もろもろ打破するためにはもっと起きていなくっちゃ。

そういえば眠気をとばすためのとっておきのグッズとして
「必勝」「闘魂」ハチマキというのがあります。
前に浅草で買いました(笑)。



KOZUE

2010年5月22日土曜日

挨拶、土曜日担当、挨拶

はじめまして、土曜日の更新を担当します、ギターの林です。
ブログなんてものには不慣れです。失礼があるかも知れません、予め差し引いて、一読したら捨て置いて下さればと考えます。
おそらく暫くは、好きなものの話でも続ける事になるんだと思います。
僕は東京は武蔵小金井という半端な田舎に住んでいます。駅前に本屋があります。
棚に並んでる本の中に、不思議の国のアリスがありました。ハードカバー、村山由佳訳、トーベヤンソン絵。
訳者には失礼ながらむしろ遠ざけたい気持ちを抱きつつ、ヤンソンの絵には興味がありました。拾い読みにページを繰ります。
水の中の絵がありました。
サメが泳いでいました。静かな光がぼんやりさしていました。何か黒い、三角の小さな貝殻のようなものが三つ連なっていました。
ほとんどが白黒だったのに、その挿し絵はカラーでした。
なんとなく、その挿し絵は、他と違っている感じがしました。
活字の視覚化の役割を、超えた絵に思えました。心象のような。
音がありませんでした。だから泣きそうになりました。
買いませんでした。訳者が違えば違ったと思います。
また手にとる予定です。だから買ってはいけない。


2010年5月20日木曜日

かえがきかない

ガンディの記事で、連絡事項についてはだいたい網羅されてるようですので、合わせて御覧下され。
……………………………………
新代田にて、発火についての話についてした後、納得がいかず一人もんもん。一定の条件が揃わなかった場合の不完全燃焼について考える。小学理科。

今日も決まった光が、一日分の開きを終える。明日は2010年5月21日。

カワセ

2010年5月19日水曜日

眠りについての第一回



さて、記念すべき第1回更新である。


myspace、youtube、ホームページ、更にはこのブログと、4点セットで一挙更新したら、あっという間にこの時間である。今朝はたなびく雲の朝である。悪くはないが、昨日の朝はもっとすごかった。光の朝だった。すべてを滲ますオレンジ色の輝きである。その中で夢に溶けていくのだ。


ぼくは眠りを愛している。なのにこの時間まで起きている。でもいいのである。夜は起きていても眠っているからいいのである。もっとも、ぼくは昼にだって眠っている。そういう時は人の目を見ながらふんふん頷いているが、実際は夢を見ている。現実は何も見ていない。


夕方まで寝るのは贅沢の極みであるが、それだけ寝ると、稀に夢をコントロールできることがある。そんなときは、夢の中の住人を、老若男女どころか、犬、猫、魚介類問わずセックスしてみたりする。4ケ月前に挑戦したダイオウイカは面白かった。それにしても無意識のふたが開きっぱなしになるなんて、世の中にはそんなとぼけたこともあるのである。


ところで、夢の中に君を引きずりこむのがぼくのライブである。


あさって引きずり込むから、ご足労いただけると、叫びそうなくらい嬉しいのである。





5/20(thu) 新代田FEVER
HIGH BRIDGE49 #0722-06




sister paul

きりん

悲鳴

fragments

DJ hb ...and more 



open19:00/start19:30 
adv\2000(D別\500)/door\2300(D別) 



予約はhemay.g@gmail.comまで。





閑話休題。ブログ開設記念ということで、わざわざ見に来てくださっている皆様にスペシャルプレゼントがある。











悲鳴は2010/05/18より4週間連続でmyspaceに新音源をアップロードする。
すべて未公開テイク、今までで最高のクオリティのものである。


記念すべき第1週は悲鳴楽曲の中でもシングル曲に位置づけられるべき"復讐のうた"である。




パニック障害を発症したティラノサウルスとしか思えない林のギターに、分裂症気味なカワセのドラミングと、どこまでもいやらしいこずえのベースが生み出すグルーヴを堪能していただきたい。


右翼アナキズムをこじらせたガンディの歌詞にも注目である。




さあ、今すぐ悲鳴のmyspaceにアクセスだ。




↓次週以降のアップロード予定↓


5/25:"水面"
6/1:"アンドロメディアの話"
6/8:"M"


こうご期待!!



……そしてまだまだプレゼントは続くのである。






2010/04/18に、小岩bushbashで行われた Worst Taste企画『潜水フェティシズムvol.12』。
狂乱のうちに終わったこの日の悲鳴のアクトを、ほぼノーカットで限定配信!!




part 1 "アンドロメディアの話" ~ "復讐のうた"










part 2 "M"











part 3 "水面"










part 4 "処刑前夜"










part 5 "Anarchist's Sun"







そんなわけで、楽曲は来週以降も毎週アップされるし、ライブ映像も今後次々このブログに置いていくことになるだろう。


更には現在鋭意製作中のPVも、近いうち見せることができると思う。
とにかく、楽しみにしていてほしい。


じゃあ、また。
おやすみ。




ガンディ