2010年8月3日火曜日

鮮烈

私の場合、バンドのメンバーを選ぶときの基準は、〝人〟だ。

プレイにはその人が表れているから、
プレイを聴いて、音を合わせてみて選ぶのも同じことだと言えるけど。
でも、その人といっしょにやれるかどうかは、
音を聴かなくてもけっこうわかってしまう。

林くんに初めて会ったときのことはよく覚えている。
ガンディくんが、「おもしろいサウスポーギターがいるから入れたい」と言ってて。
ひとまず林くんにライブを観てもらうことになったのだ。

そのころ私はバンドを5つかけもちしていたのを、
3つやめたところだった。
どのバンドにも愛情があったのだけど
私のキャパシティでは5つを全力で愛するのは無理だと気づいたから。
ぐじゃぐじゃにしてしまう前に別れようと思ったのだ。
(それで関係を続けることにしたのが「悲鳴」と、現在も続けている「我々」というバンド)

…の件に関し、ガンディくんに説明をしながら
「ほかの3つのバンドは、私がやらなくてもいと思った」ということを言ったらば、
それまで黙って横にいた林くんが、突然口をはさんだのだ。
「自分じゃなきゃいけないなんてことは、そうはないでしょう」
みたいなことを。

一瞬でも「クソ生意気な小僧め!」と思わなかったとは言いませんが(笑)、
……それはホントに一瞬で
その言葉がすごく爽快に響いたことを覚えている。
すぐに、「あ、そうだ。私は違うことを言ってしまった」とわかったので。
甘い球をパーンと打ち返された感じ。
ふだん、こういうのにすごく気をつけているつもりなので恥ずかしいのだけど
自分は常套句にうっかりのみこまれた、と思った。
そこで、すぐさま「間違った」と告げてから、
「私がどうしても今やりたいと思うものを選んだ」と訂正したんだっけ。

この時点で、私は林くんのギターを聴く前に
すでに信頼してしまったんだ。


メンバーのことを書くのって照れくさいですね。
ほかの人のことも、いずれ。

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