トルストイの『文読む月日』は、古今の名言を集めた壮大なアンソロジー。一風変わっているのは、一日一章として、複数の《名言》を並べてみせるところだ。必ずしも有名人ばかりではなく、トルストイの個人的な友人の言葉も含まれていたりする。
厚さ2cmばかりの文庫全3巻。イチから読んだことはない。
ふと、本日の日付のページをめくるというつきあい方。
「八月三十日」の箴言の一つ目は。
「人々は全人類の善き生活とは何か、そしてそれはいかにして達成せらるかを知っている。そして知っている以上、早晩それを達成しないではいない」
間にいくつかあって…最後を締めくくる七つ目はこう。
「人類の前に従来よりも高い完全性の観念が提示されるや否や、従来のすべての完全性の観念は、ちょうど太陽の前の星のように色褪せてしまい、人々は太陽を見ないでいられないように、より高い完全性を認めざるをえなくなる」
考えがとりとめなくなってる時に、その的を絞らせるようなヒントに出会うこともある。
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